楠森堂ブログ

現代の緑茶への疑問…

在来種のお茶

11月10日に書いたブログの話題の続きです。
現代の〝高品質で美味しいお茶〟というと「甘味が強く鮮やかな緑色のお茶」ですね…
しかし、昔のお茶は、先日のブログにも書いたように〝苦渋味〟が強かったといいます。
今、私が在来種のお茶を生産していますように、幼い頃から30年以上この自家製の在来茶を飲んで私は育ってきました。
当然その味が染み付いていますから〝渋味がありさっぱりとした味わい、お茶の色は黄色…〟というのが私のお茶に対するイメージでした。
5年前お茶の生産に携わりました。就農して間もなく知り合った同じお茶を生産している同年代の方と、あるお茶屋さんの店舗を訪れる機会があり、初めて 現代のいわゆる〝美味しいお茶〟というものを味わいました。
先に書いていましたように、幼い頃から飲んでいたお茶の味のイメージがありましたので、その店舗で出された〝鮮やかな緑色、まろやかで強い甘味〟のあるお茶を初めて口に含んだ瞬間…
〝目の前にあるグラスにお茶が入っていると思い込み飲んでみると、気が抜けたビールだった…〟
〝苦~いブラックのコーヒーと思い込み飲んでみると、甘~いコーラだった…〟
というような、思い込んでいた味とはまったく違うお茶の味に驚いたのを思い出します。
これが高級なお茶の味?…
その後、お茶の生産に携わっていくうちに、その緑色で甘味のあるお茶を作る栽培法が分かってきたと同時に、初めて農業をする私にとって、茶業界が基準とするその栽培方法に対して、年を追うごとにだんだんと強い疑問を持ち始めました。
現代の〝甘味が強く、鮮明な緑色〟のお茶になる要因として…
●製茶機械、技術の向上(蒸し行程=深く蒸すことにより旨みを引き出すと同時に、お茶の色も緑が強くなります)
●昭和50年前後に全国規模で行われた実生在来茶園から品種茶「やぶきた」をはじめとする品種茶園への植え替えや新植による、品種茶の特性によるもの。
●茶の木は、窒素成分のアンモニアを吸収することで、旨味成分であるテアニン(アミノ酸)を生成します。そのような事から行われた、窒素肥料(硫安など)の多量な施肥。
※ 硫安(硫酸アンモニウム)…ナイロン原料等の工業製品の製造過程から出来る副産物。

●茶摘み前に化学繊維で出来た被覆資材で一定期間茶の木を覆います。お茶の新芽にはアミノ酸の一種で旨み(甘味)成分である「テアニン」が含まれており、光合成を行うことにより渋味成分である「カテキン」に変化していきますが、被覆資材で覆い日光を遮ることで「カテキン」への変化が抑えられ、テアニンの割合が多くなり、旨み(甘味)が増します。
さらには、通常茶葉は日光を浴びることで黄緑色になっていきますが、日光を遮ることで深い緑色をした茶葉となり、急須で淹れたときに鮮やかな緑色をしたお茶が出る要因となります。
しかし、現代の旨みの強いお茶を作るために行われる、窒素肥料の過剰な施肥…
窒素肥料を大量に施用することは茶樹の病害虫に対する抵抗性を弱める要因となり、必然的に農薬へ強く依存しなければならないという問題点もあります。
過去に窒素肥料を大量に施肥し、茶木が吸収しきれなかったアンモニア態窒素から変化した硝酸態窒素が地下水に溶脱することによる水質汚染が社会問題になった経緯があります。
[硝酸態窒素とは…]
硝酸態窒素の水汚染と人体への影響
過去に窒素肥料による水質汚染が社会問題に発展したという事を知り、色々調べてみました…
研究機関による多数の調査、研究結果が報告されており問題の深刻さを物語っていました。
ある資料には、平成10年頃にある県で茶畑から大量に溶脱した硝酸態窒素を含む水が流れ込んだ ため池で魚が大量死した…という記録も…
その問題発覚後、全国各地の茶生産地で硝酸態窒素の汚染を調査したところ、多くの産地で高い数値を記録したといいます。
水質汚染が社会問題に発展したのを機に、各茶産地で窒素肥料の施肥基準を設け生産者に指導をしてきました。
しかし近年、品質の低下が指摘されはじめ、各茶産地で競うように「鮮明な緑色で甘味の強い、他の生産地に負けない高品質なお茶を生産しよう」というようなことから、再び旨み成分の増加を期待し、施肥基準を上回る窒素肥料が施用される傾向にあります…
私が生産するお茶園から少し離れた所に、現在は使用していない大正時代に建てられた製茶工場が残っており、その旧工場内には昭和40年以降の茶関連機関の指導による「茶樹栽培管理基準」のポスターが残っていました。
在来園から品種園への転換
昭和40年(1965年)以降、実生在来茶園からやぶきた品種へ急速に移行していきます。
「やぶきた」を始めとする茶園の品種化の流れと共に、窒素肥料の施肥基準も急速に増大していきます。
次の写真は、年間の茶園10a当たりに施用するの肥料成分の基準表です。
年々、旨み成分の増加を目的とした窒素肥料の数値が増加していく様子が分かります。
Nが「窒素」、Pは「リン酸」、Kは「カリ」です。
P1020873[1]昭和43年 N77 P32 K26
P1020872[1]昭和45年 N91 P36 K33
その後も、年々窒素肥料の施用量は増え続け…
P1020860[1] N107 P57 K58
平成に入っても、さらにその量は増え続け…
P1020876[1] N122 P48 K51
年間の成分基準が120kgをオーバーした表も残っていました…
上の表には年代が記載されていませんでしたので正確な年代は不明ですが、硝酸態窒素による水質汚染が社会問題となり、調査が平成10~15年にかけて盛んに行われている資料が残されているので、上の表はその頃の基準表だと思われます。
P1020877[1] N52 P20 K20
この上の表は5年前に私が就農するあたりの、平成20年以降の成分基準表です。
大幅に窒素肥料の成分が削減されてあります(ピーク時の半分の設定値)。それ程汚染問題が深刻だった事を物語っています…
ある調査報告資料によると、『環境への負荷を考慮すると、年間の窒素成分の施用量は40kg代以下まで削減努力が必要である』とも指摘されてありました。
大幅に削減された年間の窒素施肥量52kgの設定値でも、まだ環境への負荷が大きい…ということです。
この数枚の写真の数値は福岡県が指導をする施用成分の基準数値ですが、この基準は各県生産地で異なり、他県ではさらに高い数値が設定してあるところもあるそうです。
このようなことから、昭和40年以降行われた窒素肥料施肥の増大とともに一般市場で販売されるリーフ茶は、甘味の強いお茶へと徐々に移行し、それに伴い消費者の緑茶に対する味覚も変化してきました。
近年、リーフ茶の消費低迷、茶葉の品質低下が指摘され、品質向上(?)旨み成分の増加を目的に、窒素肥料の施用量を再び増やす傾向が見受けられます。
営農を指導する専門機関からもここ数年、窒素肥料の大幅な削減の影響による近年の茶葉の品質低下(旨みの不足感?)を問題視し、はっきりとは言いませんが窒素肥料の施用の増量を促すような指導、言動も頻繁に耳にします。
先日、ある肥料メーカーの営業の方から話を聞くと、最近では再び基準を超える窒素肥料を施肥する生産者が増えているとの事でした。
今年初めに行われた、生産者が集まって開かれた勉強会で、他県から招いた講師(お茶の技師)の発言の中で「自然環境を気にして施肥(窒素肥料)の基準などを守っていても、良いお茶はできませんよ。他県ではもっと入れてますよ」…という言葉に耳を疑いました。
さらには、その言動になんの疑いも持たない様子で、その講師の言葉を真剣に聞き入り深くうなずく生産者たち…
今月11月初めに、毎年九州各県持ち回りで開催されている「九州お茶祭り大会」という催しが福岡県で行われ、それに先駆け、大会前日に若手の生産者が集っての「九州茶業青年大会」が行われました。
私はその大会実行委員の一人として、近年国内の緑茶消費量(リーフ茶)が減少しているため、「緑茶文化を伝え急須で淹れたリーフ茶の美味しさを知ってもらおう」という消費拡大を目指した緑茶のPR活動を担当しました。
現代の若い世代は〝お茶〟と言えば「Pボトルの緑茶飲料」…急須自体が無い家庭が多いことで、急須で淹れたお茶の味を知らない…
「若い世代にリーフ茶の美味しさを知ってもらい将来の消費拡大につなげよう」という事から、福岡市近郊の大学や専門学校で「緑茶のPR活動」を行いました。
数年前私が、初めて飲んで強い違和感を感じた現代の強い甘味のある緑茶。
その授業で私は、ペットボトルの緑茶飲料飲の味しか知らない若い学生達が初めて口にする急須のお茶の味…その反応がどういうものであるか、凄く興味を持って見ていました。
P1020758[1]
授業の始めに、まず緑茶インストラクターが淹れたお茶を前の席に座っていた生徒に味わってもらうと、
微妙な表情…
そしてインストラクターが言った事は…
「どうですか?美味しいでしょう?美味しい!って言ってもらわないと、この先授業が進めづらいんですが!」
(生徒)「美味しい…です…」
(インストラクター)「…ですよね。はい!ありがとうございます!」
授業の途中で淹れた〝高級玉露茶〟を味わった生徒の表情も…なんとも言えない微妙な表情。
その後も授業は続き、湯冷ましをして淹れた甘味のあるお茶と、熱湯で淹れた強い渋味のあるお茶…と、淹れ方にによってお茶の味が大きく違うのを初めて知った生徒たちは驚き大いに盛り上がりをみせました。
もちろん「美味しい!」と言う生徒さんも沢山いました。
その授業の終わり、インストラクターの方の一人が
「この急須で淹れたお茶と、ウーロン茶と、お~いお茶。この中で、どのお茶が一番美味しいと思う?」
(生徒)「私、爽健美茶!」
(インストラクター)「……。」    この様なやりとりがありました。
この他にも年間に数回ある緑茶の催しに参加した時に、
その時の消費者の反応でも…
「ぅわ!甘い!」という言葉をよく耳にします。
『美味しい』とは言ってないんですね。
しかし生産者側は「これが美味しいお茶なんですよ」と教える…
この絵は、以前西日本新聞に掲載されていた、明治18(1885)年に横浜港で、大きな黒い蒸気船から次々に梱包したお茶の積み荷を下ろす様子を描いた錦絵です。
幕末から始まった海外への輸出。その重要品目は、「生糸」と「日本茶」でした。
明治18年 横浜港
このグラフは、明治以降から現在までのお茶の輸出の推移を表したグラフです。
幕末以降にお茶の輸出が始まりました。輸出先は主にアメリカ合衆国でしたが、日本茶に対する嗜好が急速に広まり、大正時代には、お茶の輸出量が3万トンに達しています。
もちろんこの時代に輸出されていたお茶は、今で言う「在来種」のお茶でした。
緑茶輸出量の推移
しかし、1960年代以降輸出量は激減しています。
作れば何でも売れた時代…
緑茶も輸出重視から、内需重視へと路線を変更しました。
しかし、近年の緑茶の消費低迷や人口の減少、少子化…
緑茶業界は再び海外での緑茶の消費拡大に目を向け始めました。
近年、海外での日本食ブームによる影響もあり、お茶の輸出量が少しずつ増えつつありますが、それでも日本国内の緑茶の総輸出量は千数百トンほど…
明治から大正時代に盛んに行われていた緑茶の輸出。
しかし昭和40年以降、輸出はほとんど行われず、その間に国内では急速にお茶の品種化が進むと共に窒素肥料を大量に施用した甘味の強いお茶へと、お茶の味が変わってしまいました。
数年前、まだこれほど緑茶の輸出が騒がれていなかった時、某お茶の専門誌に、今後の緑茶の輸出を見据えて、日本茶の味が海外で受けいれられるのか…など、様々な海外での追跡、市場調査を行った調査結果が掲載されていました。
その調査結果の内容には、日本茶の独特な甘味、青みのある味は海外で受け入れられるのは難しい…という事が書いてありました。
また…
日本食ブームで緑茶も徐々に注目されてきたが、ある海外の日本食を専門にした店舗では、普通に抽出した緑茶のままでは飲みづらいため、大量のシロップを入れて飲むという…健康食とは言い難い飲み方も…
その他にも、もちろん様々な調査結果が報告されていました。
私は5年前から初めて農業に携わりお茶の生産を始めました。就農してからこの5年間、現代では規格外として取り扱われる希少な〝在来茶〟の昔ながらのお茶の味わいを多くの人に知ってもらいたいと思い必死にPRをしてきました。徐々に販売量も増え、少しずつですが認知されてきた感じもあります。
その購入して頂いたお客様から聞く声は…
「懐かしい味がした」
「さっぱりして飲みやすい。何杯でも飲める」
「普通飲むお茶とは違って、飾り気のない自然な味」
「何煎もお茶が出る」
「こんなお茶を待ってた!最近のお茶は甘すぎる」
「お茶の味がする」
「お茶の香りがする」  など…
一方、現代のお茶に対しては…
「どうして最近のお茶はこんなに緑色なの?着色してるの?」
「甘すぎて何杯も飲めない。胃がもたれる感じがする」
「最近のお茶は食後には合っていない」
中には…
「味の素が入っているんじゃないの?」
「グルタミン酸ナトリウムが入ってるの?」
「昔のお茶の味が好きだったのに、どこのお茶屋さんにも今は緑で甘いお茶しか売っていない」
という現代の甘味の強いお茶に疑問をもつ声も多々ありました…
日本に茶が伝わったのは、今からおよそ1200年前の平安時代、伝教大師「最澄」や弘法大師「空海」などが遣唐使として中国に渡り、茶の種を持ち帰ったのが始まりとされています。
日本各地に茶が広まったのは鎌倉時代以降です。1191年臨済宗開祖の栄西禅師が佐賀県の吉野ヶ里町の山腹に中国(宋)から持ち帰った種(実生)を播いたのが日本でのお茶栽培の始まりです。

茶が伝来して以来、茶は種を蒔くことで伝え広がり、昭和40年頃までの千数百年もの間、日本人が味わってきたのは在来種(実生)のお茶でした。現在、全国にあるほとんどのお茶園が生産性の高い品種化されたお茶園へと転換が進む陰で、昔から親しまれてきた在来種のお茶の味は忘れられつつあります。
その在来種のお茶…秋、樹に花をつけ、その花に寄ってくる蜜蜂や色々な虫たちによって自然交配され茶の実(種)になります。
その自然交配によって出来た種は、親木の性質を受け継ぐ事はほとんどなく、様々に性質の違う種となっていきます。その種から自然に育った(実生)お茶が「在来種」と呼ばれるお茶です。
香味の違う色々な種類のお茶が畑で自然に混ざり合ったお茶が、在来種のお茶の最大の特徴です。
様々に異なる品種の種から育つ在来種のお茶園は、その土地風土に適応したお茶園を自然に形成することから、お茶の品種化が始まる昭和40年代以前、全国が在来種のお茶園だった時代は、各茶産地で特徴のある味わいのお茶が生産されていたそうです。
しかし、生産性の向上、品質の安定を目的とした全国で急速に進んだ品種化。限られた品種への偏重…
お茶の品種化は生産性の飛躍的な向上に貢献した半面、風味の画一化や産地ごとの特徴が希薄になり、このような事が要因となり、旨み成分の有無などでしか他の産地との差を出せなくなり、現在 各茶産地では「鮮明な緑色で甘味の強い、他の生産地に負けない高品質なお茶を生産しよう」…というようなことから、旨み成分の増加を期待し各茶産地で競うように施肥基準を上回る窒素肥料が施用される傾向が見受けられます…
ある県では品質基準を設定し、出荷された茶葉を審査、旨み成分であるテアニン(アミノ酸)など様々な成分の数値が基準を満たした甘味の強い茶葉だけをブランド茶として認証…という話題が新聞記事として掲載されてありました…
現代の「鮮明な緑色をしたお茶」、「まろやかで強い旨みのあるお茶」を好んで飲まれている消費者の方も沢山いらっしゃいます。
しかし一方で、昔ながらの渋味のある素朴な味わいのお茶、さっぱりして何杯でも飲めるお茶を求める多くの声があるのも事実です。
国内には、自然環境や生態系、人体への影響を考え、無農薬の有機栽培や減農薬減科学肥料によるお茶の栽培に一生懸命取り組んである多くの生産者の方がいらっしゃいます。
しかしこのように化成の窒素肥料を不使用、使用を抑え栽培したお茶には茶問屋などが求める旨み(甘味)が少なく、在来茶と同様規格外のお茶として取り扱われてしまう…
生産者自ら販路を開拓しなければならないのが実状です。
現在の茶業界…「高品質のお茶」とされる『緑色で甘味の強いお茶』に固持しすぎるあまり、周りの状況が見えていないように思えます。私個人的に強く言えば、感覚が麻痺してさえいるように思えます。
近年、ペットボトルの緑茶飲料が消費者の間に深く浸透し、その事により大きくシェアを奪われ消費が低迷するリーフ茶…
私から見れば、緑茶業界は〝高品質なお茶〟にこだわりすぎるあまり、緑茶飲料を開発する大手の企業の、若者や日本人が感じる味覚、嗜好をしっかり調査し、さっぱりとした食後に合うお茶、スッキリとした味わい、いつでも誰でも飲みやすいお茶を追求研究し消費者にそのお茶の味わいが受け入れられる事で、緑茶飲料に大きくシェアを奪われてしまっているように思えリーフ茶離れが進む要因になっているように感じます。
輸出が盛んに行われていた明治、大正時代。
輸出量が飛躍的に伸びる最中、お茶を着色する事が発端となった「粗悪茶」問題…お茶の乾燥不足による「品質不良茶」などが大きな問題となり、日本茶を輸入する各国から輸入の禁止や制限を受けた経緯があります。
平成に入ってからは、旨みの強いお茶がもてはやされる事で行われた窒素肥料の大量な施肥。それに伴い起こった社会問題にまで発展した水質汚染問題…
春の新茶シーズン…早期に新茶を販売を開始出来れば高い収益が得られることから行われた、温暖な鹿児島などの新茶が早い時期に摘採可能な茶産地から茶葉を仕入れ、地元産の新茶として販売することが問題となった「産地偽装問題」などもありました。
現在の状況を見ていると、再びその悪い方向へと回帰しているようにも感じられます…
先日、世界の様々なお茶を求め自ら各地を訪れ実際にお茶を味わい厳選して仕入れ、国内や海外で高級茶専門店を展開されてある日本人の方と、あるきっかけで交流する機会がありました。
その中で…
日本茶の場合、世界のお茶と比べても味の深さの点で非常に物足りません。
海外の高級茶市場においてお茶の品質の善し悪しは、味の深さで決まります。
高山で採れたお茶や樹齢の古いお茶は、ミネラル濃度が高くなる事から品質も高く、非常に奥行きのある味わいが感じられるものです。
日本の方にはあまり知られていませんが、中国茶の6割以上が緑茶です。中国の緑茶でも高品質のお茶になると、非常に深い味わいが感じられ、そのインパクト有る味は普通の日本茶では太刀打ちできません。海外のお客さんは正直日本人よりも遙かにお茶の知識が深く、また、非常に高いお茶のテイスティングの能力をもっております。
海外で何となくブームになっている日本茶ですが、それと同時に日本茶は酷評されている事も現実です。味の深さを無視した、テアニン重視の品質基準ゆえに本当のお茶好きには物足らないのが現状です。

という事をおっしゃってありました…
自然環境を軽視した窒素肥料の大量な施用…それに伴い、茶樹の病害虫に対する抵抗性を弱め、農薬へ強く依存しなければならない現代の日本のお茶…
P1020878[1]環境にやさしい…????
良いお茶って何でしょう?
美味しいお茶って何ですか?
高品質なお茶って何ですか?
安心安全…???
早くこの問題に気づき、考えを根本から改めなければ、茶業界の将来は極めて危ない…
と本気で感じるのは、私の考えすぎでしょうか?…


 

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