楠森堂ブログ

柿渋!?

お茶畑の様子

私のお茶園には、大~きな渋柿の木が2本、中くらいの木が1本…と、3本の柿の木がお茶園の真ん中に立っています。
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先月の出来事ですが…
いつものようにお茶畑で仕事をしていましたら、70歳代半ばほどの背の小さなおじいさんが腰を曲げ…よっこらよっこらと歩いてきて私に話しかけて来ました。
「柿をわけてもらえんですかね~」とおじいさん。
国道から見えるお茶畑に立っている柿の木を以前から見ていたそうなんです。
昨年も… 「吊るし柿(干し柿)にするのでわけてもらえませんか?」と、今回とは別の方(おじいさん)からお願いされ、「どうぞどうぞ」と私。
後日、鈴なりに生(な)っている柿の木を頭上に見ながら獲る気満々で来られたのですが、脚立、竹竿、高枝切りを擁しても裾部分の少量の渋柿だけしか収穫出来ず、がっかりして帰られました(^_^;)
今回のおじいさんも、(干し柿にする為に)また秋に収穫しに来られるのかな?と思いきや…
「明日か明後日、手伝いを連れてまた来ます」とおじいさん…
「え?明日? まだ柿は緑で玉もかなり小さいですけど?」
まだ柿はこの様な状態です 
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「こげんこまいとじゃなかと、しゃげんですもんね~」とおじいさん。
訳すと…
「この様な小さい(柿の玉の大きさ)のでないと、潰す(ひしゃぐ)ことができませんからね」というような意味になります
「しゃぐんですか? 」と私。
話を聞くと…
うきは市の隣町、久留米市田主丸町で100年以上昔から柿渋を作られているそうで、柿渋を作る過程で一番初めに専用の機械で柿を潰すそうですが、玉が大きくなるとそのまま機械に入らず、1個1個柿を半分に切る…という手間がかかるため、玉の小さな柿がよいとの事でした。
渋柿にも品種が数種類あるそうで、山に生えている玉の小さな品種があり、柿渋に最も必要な成分「タンニン」の含有量も平坦地でできる渋柿より多く含んでいるそうです。
タンニンは柿渋や栗の渋などの渋い(苦い)成分ですが、多くの植物の葉などに含まれ(お茶にも含まれています!)、 葉が動物に食べられるのを防いでいます。
防腐、防虫効果に優れ、古来より建物に使用する天然の塗料として、また草木染めの染料としても利用されてきました。
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さて、そのおじいさん…
数日後に若い男性の助手を連れ、2人で収穫に来られました。
その若い助手の方が柿をちぎると思いきや…
おじいさんが脚立を軽快に上り下りし、スルスルっと枝を伝って木の上の方まで登って柿を「チョキチョキ」と次から次に切り落とすではありませんか…
先ほどまで、腰を曲げ、よっこらよっこら歩いていたおじいさんの予想だにしなかった軽快な動きに…
唖然(・・;)…  職人ですね~
木の下では若い助手の方が、枝葉ぐるみ切り落とした柿をよっこらよっこら集めていました…
どう見ても逆ですよね~(-.-)
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“大~きな柿の木”はさすがに裾の部分しか収穫ができなかったようですが、“中くらい”の柿の木はキレイさっぱり収穫されてしまいました… ん~…予想外でした(^_^;)

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