楠森堂ブログ
ジャンボタニシ!
先月末に田植えをしてから2週間ほど経過しました。
日に日に苗も太り、少しずつ緑も濃いくなってきました。
田植えをしてから間もないこの時期…
毎年農家の頭を悩ませるのが、「ジャンボタニシ」による苗の食害
〝食害を受けた苗と、株元に群がるジャンボタニシ〟
「ジャンボタニシ」…リンゴガイ科 巻貝の一種。正式名称は「スクミリンゴガイ」と呼ばれるそうです。淡水産の大型巻貝で、実は〝タニシ〟とは科が異なるそうです。
昭和50年前後に、食用として海外から持ち込まれました。しかし、食用としての需要が伸びなかったことで廃棄され、その貝が野生化し現在西日本を中心に大繁殖を続けています。
私の家の水田では、一昨年あたりに初めて〝ジャンボタニシ〟がいるのを確認し、それからこの1,2年で一気に大繁殖をしてしまいました。
その苗を食害する〝ジャンボタニシ〟… 植えたばかりの苗のように、軟らかい〝葉〟のみを食害するという性質を利用し、雑草を抑える方法として「ジャンボタニシ」を逆に活用する事も出来るんです
田植え後、田んぼに水を深めに張ると、「ジャンボタニシ」は自由に動き回り次々に苗を食害します。
しかし、底の泥が露出する程度に極力水を張らなければ「ジャンボタニシ」はほとんど移動する事が出来ず、苗の食害も抑える事が出来ます。
動き回れず、殻の中に納まって「じっ」としています
田植えから10日間ほど水を張る量を少なめにするよう調整し続けるうちに、苗が太り株元の葉も硬くなり〝食害〟も受けなくなります。
その後は水を普段の量10センチ前後に張ります。
「ジャンボタニシ」が自由に動き回れるようになりますが、イネの間に伸びてくる軟らかい草を次々に食べ、雑草の生育を抑制する働きを「ジャンボタニシ」がしてくれるのです!
手前が「ちょっと水が少なすぎでヒビが入っています…」が、水をほとんど張っていない田と、奥が水を多く張り「ジャンボタニシ」の食害に遭ってしまった水田の様子…
田んぼの淵に産み付けられたピンク色の塊が「ジャンボタニシ」の卵
しかし、年々「ジャンボタニシ」はスゴイ勢いで繁殖を続けています…
繁殖を抑える事が出来れば、それが一番良いのですが