楠森堂ブログ
小学校のお茶畑再生作戦 [vol.3]
しかし…今年の梅雨は降らない日は無いくらい本当によく雨が降ります
毎年の事ですが、二番茶が始まるかなり忙しい今の時期、いつも加勢に来て頂いているほとんどの方が、麦刈りや田植え、また果樹の手入れ等で来れなくなり、その間は一人で早朝から日が暮れるまで広い茶畑の除草作業などに追われます
そしてこの連日の雨…雨が上がらないと出来ない作業もかなりあり、なかなか作業がはかどりません…
今年初めに任された小学校のお茶畑の再生。
植えたばかりの苗には、この時期必ず虫が発生し被害を受けます…
分かっていながらも、やはりこの時期は自分の畑の管理でいっぱいいっぱい…
先日、小学校の畑の様子を見にいくと…やはり被害が出ていました
しかも、植えたばかりのほとんどの苗に…
パっと見ても被害など受けていないように見えますが、本来被害を受けていない茶葉は、苗の後ろに生えている雑草のように濃い緑色をしていなければなりません。
これは、今の時期茶農家を悩ませる虫、「チャノミドリヒメヨコバイ」と長~い名前の付く虫の仕業。
幼虫 成虫(体長約3mm) 被害を受けた茶葉
葉や茎を吸汁し被害を受けた葉は萎縮、写真のように葉の色がうすく黄色になり、ひどい場合には葉の発育が止まってしまいます。さらにひどい場合には、葉先が縮れ落葉する事も…
ヒトの赤ちゃんでも、様々な予防接種を受けるように…
苗を植え、お茶を摘むことが出来る成木園になるまでは細心の注意をはらい、ある程度苗に力が付くまで被害が出そうな場合には消毒をするのが一般的です。
ちなみに無農薬栽培の場合でも、5年目に茶摘みが出来るまでの、茶苗を植えて初めの1、2年目のみは、原則消毒はしてよい事になっているように、苗に力が付くまでは、ある程度補助はしてあげなければなりません。
しかし、この「小学校お茶畑再生作戦」…
保護者、先生方の強い希望で、苗を植えて今からの完全無農薬…
周りの農家の方、他の茶農家の方からも「絶対無理!」と言われます
私自信も、順調に生育させるには極めて厳しいと正直思います
就農してからずっと出荷するお茶は買い叩かれ、今現在も厳しい評価を受けながらも反発し、在来茶にこだわっている私です
「無理!絶対無理!」と言われると、逆に「ヤってやる!!」と思うひねくれた性格です
実際厳しいとは思いますが、やってみないと分かりません。
5年後にもし立派な成木に育った時の喜びは、凄く大きく感じると思います。
という事で…
先日雨が上がった夕方、何とかその日の畑仕事に目途を付け、暗くなる前の19時過ぎ、この日の為に4月から作っていた「にんにく」と「唐辛子」を漬け込んだ木酢液…
木酢液には強い殺菌力があり、しかも分解すると微生物のいいえさになると言われています。また、ニンニクと唐辛子と木酢液のトリプルパンチの強い刺激で、一部の虫はその臭い嫌って逃げ、寄り付きにくい効果があると言われています。
殺虫効果がある訳では無いので、効果を持続させる為には定期的に液を散布し続けることが大切だという事です。
Pボトルに漬けていた液を、網で濾しているところです。
かなり強烈な臭い…ですが、癖になりそうな匂い?
水で数百倍に薄めた特製木酢液を小学校の茶畑に散布中。
無風状態で散布するには適した条件で良かったのですが、体中ニンニク のとてもいい香りが…