楠森堂ブログ

 注連縄

河北家

昨日7日の早朝、一年の無病息災の願いを込めた行事「鬼火焚き」を行いました。
今年のやぐらは例年に比べかなり竹の本数が多かったことで、竹の破裂音や火力も凄く、迫力のある鬼火焚きでした!
P1030668_s.jpg
DVC00167_s.jpg
正月飾りなども焼いた火や灰は、かまどや火鉢に入れ、その火で鏡餅を焼いて食べます。
また、この火にあたると、一年間風邪をひかず健康で過ごせるとも言われています。
Untitled1_s.jpg
今日8日は、屋敷祭(宅神祭)を行いました。
当家敷地内の辰巳の方角(東南)には河北家の祖霊社「山北神社」があります。
山北神社には、現在の山北の地に移った時(1340年)の祖先、山北四郎大蔵永高(やまきたしろうおおくらのながたか)以来の二十六代の当主を祀ってあります。
P1030199_s.jpg
その山北神社の神前にお供え物をし、山の神をはじめ、当家の祖先の神々である南の山中の式部霊神、東の坂本坂の神、北の文永寺の神に、それぞれの方角に向かって参拝、この後、家の裏側に移動し、戌亥(いぬい=北西)の角の玉照霊神の神前にも同様にして参拝、注連縄と奉幣(ほうへい)を新しいものに取り替えます。
この祭典は、地域の人々、楠森(河北家)ゆかりの人々の一年間の安全を祈願するものです。
P1030201_s.jpg
その後、家の中の神棚の前で家祓いをし、家内安全を祈願します。
神事が終わると、水器にいれた塩水を笹で撒きながら各部屋を清めます。
P1030197_s.jpg
最後に玄関の注連縄を張り替えます。
DVC00175_s.jpg
注連縄…
注連縄は清浄・神聖な場所を区画するため引き渡されるそうです。
神社をはじめ、巨大な岩や樹木、清浄な井戸、瀧、寺院などなど…様々な場所に掲げてあります。
正月、門松とともに戸口に注連飾りを置くのも、家の中に悪霊を入れず、穢れ(けがれ)をさり無病息災・家内安全を願ってのことからだそです。
また先日、この注連縄に関して「ほ~!」と思う事が新聞に書かれていました。
この写真のように、細い藁を2、3本垂らした注連縄…
しめ縄本体は「雲」、垂らした数本の藁は「雨」を表し、白い御幣は「稲妻」を表すそうです。
なぜ「稲妻」なのか?
稲妻は害虫を殺し、そして稲妻は空気中のチッソを分解して、雨と一緒に地中に徐々に染み込ませることで植物を育てるそうです!
という事から、「雷がよく落ちる鉄塔近くの田畑は、なぜか肥料をやらなくともよく育つ!?のだそうです。
この話しをしたのは、昔、岩手県のある高校で、授業からしばしば脱線していた…という化学、土壌学、英語を教えていた20代半ばの教師「宮沢賢治」でした
DVC00174_s.jpg
この屋敷祭の供え物のひとつ「シトキ」。米粉と餅米粉で作られています。
現在は行っていませんが、1月13日に行う行事「海老上げ」の日に、この「シトキ」を使ってダンゴ汁を作っていました。(現在もこの日にダンゴ汁は作っています)
DVC00170_s.jpg
「海老上げ」とは、台所のくど(竈)の上に藁で作った海老を上げる行事です。
この藁海老のいわれは、昔凶作の時は全く藁が取れず、田植えのための「くびりわら」が無く困ったことから、米が穫れた時に出来た藁を海老の形にし、くどの上に掲げ、一年間藁を保存するという意味を持っています。
また海老の形にするのは、腰が曲がるまで元気に働けるように… との願いが込められています。
この行事は河北家だけのものではなく、この山北地区の風習でした。
現在、この藁海老を作れる人がおらず、この行事を行うところは無くなりました…
当家でも十数年前を最後に海老上げは行っていませんが、その最後の藁海老が、現在も楠森堂「主屋」の土間の上に当時のまま掲げてあります。
わら海老_s

プライバシーポリシー

Copyright(C) KUSUMORIDOU All rights reserved.