楠森堂ブログ

在来茶再興への取り組みが「朝日新聞」に掲載

在来種のお茶

7年前、サラリーマンを辞め家族と共にうきは市に移住、農業の知識や経験もまったく無いなかで農業の世界に入り、父の実家で200年前から続いていたお茶園、荒廃しつつあり数年先には生産を断念することも考えていたというお茶園を引き継ぎ、日本古来の希少な在来種のお茶園の再興に取り組んで来ました。
年々老朽化の進む文化財でもある父の実家、このまま放っておけば廃れていくのを強く感じ、この家を今後も維持存続させていくための収益の柱にすべく、あえて、私が幼いころから飲み親しんだお茶、茶業界から見放され埋もれていた在来茶の復活にかけました。
そして今年で8年目…
まだまだ現状はかなり厳しいものがありますが、在来茶復活への取り組みが徐々に認知されてきているように感じます。
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~記事全文~
連載シリーズ
【ちくご群像】:お茶 ① ご先祖の味、人つなぐ
お茶本来の味わいを知ってほしい …  その思いから、昔ながらの栽培法での茶づくりに取り組む茶農家がいる。生産効率が低く、茶葉の見た目もよくないため、いまでは廃れてしまった幻の茶。口コミやネットでの購入が裾野を広げ、伝統産業の視点から研究者が注目するなど、復活を支える動きも出始めている。
うきは市浮羽町山北の河北幸高さん(38)。脱サラし、2006年に家業を継いだ。受け継いだのは「手入れの悪い、荒れた茶畑」だった。同業者は見向きもしない「在来茶」で、周囲からは「品種茶」への転換を勧められた。
在来茶は、自然交配を重ね様々な品種が混在する茶畑でできる。種から育つ(実生(みしょう))ため、根が深く張り、生命力が強い半面、茶葉の色も味もまちまちだ。一方の品種茶は優良品種を挿し木によって増やすため、新芽が均一で機械摘みがしやすい。収穫量が多く、品質も安定している。
日本茶業中央会によると、全国の茶園面積のうち在来種は、1954年は97%を占めていたが、70年代に「やぶきた」を代表とする品種茶に抜かれ、2008年には3%まで縮小。戦後、お茶の世界は様変わりしたことがうかがえる。
河北さんが小さいころから飲み慣れた実家の茶は「黄色くて渋みがあり、後口はさっぱり」していた。これに比べいわゆる「高級茶」は「緑色で味が濃く甘い」のに驚いたという。
200年続いた先祖伝来の茶畑は現在5ヘクタール。一部に品種茶もあるが大半は在来茶のままだ。その在来茶の面積あたりの収穫量は品種茶の半分にしかならない。
「茶畑を守らねば」という使命感と、素人でスタートし妻子3人を抱える現実との葛藤。苦闘の連続だったという。市場では買いたたかれるため、直接販売に活路を見いだし、最近は半々の割合に。3年前から、古い米蔵で新茶を半年寝かせ、熟成した秋に「蔵出し茶」として売る新商品もつくった。ホームページ「楠森堂」(http://kusumoridou.web.fc2.com/)で、在来茶の魅力から自分の生きざままでつづっている。
「これは大変貴重なお茶です」。昨春、こんな書き出しで河北さんのお茶を紹介する文章「実生在来種」がネットに流れた。筆者は「お茶 その至福のとき」のホームページを開いている広島県廿日市市の甲斐正さん(67)。長年のお茶マニアで、幅広い知識に裏打ちされたコラムを数多く載せている。
ホームページ【お茶 その至福のとき】 “実生 在来茶”
文章は、河北さんのお茶をネットで知り、早速取り寄せて感想を述べたもの。「とても優しくきついところは全くありません」「繊細な感性を持っていた我々の御先祖様たちが楽しんだ味と香りをもつお茶」と評価している。
久留米大のホームページに一昨年4月、「筑後優品」のサイトができた。筑後地方の優れた伝統工芸品などを、手がける人からの聞き取りや現地調査などしたうえで紹介する。第1弾として久留米絣(がすり)や和紙など4種類を選んだ。
サイトの責任者で、県文化財保護審議会委員を務める狩野啓子・文学部教授は第2弾の候補の一つとして在来茶を考えている。「消えかかりそうな伝統製法を守る取り組みに光を当てたい」
河北さんの実家は江戸から大正にかけて建てられた主屋や米蔵など8棟が国の登録有形文化財に指定されている。春先、約150メートルにわたる竹垣を補修する「壁結い」は、住民やボランティアに協力してもらう恒例行事だ。秋に「蔵出し茶」の試飲を兼ねて実家を開放する試みは昨年で2回目となった。
「在来茶や家を守り、伝統のよさを発信していくことで、地域のつながりを深められれば」(遠山武)
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新茶の季節。ペットボトルの普及で手軽な飲み物になったお茶だが、急須のない家庭も増えたという。生産や流通などの現場でどんな取り組みが行われているかを探る。
朝日新聞 【ちくご群像】連載シリーズでは、今回の「お茶」のシリーズ(① ② ③)に加え、様々な分野で活躍する地域の人たちを毎週取り上げてあります。
【ちくご群像】 (朝日新聞) (●「朝日デジタル」 ※期間限定での掲載となります)

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