楠森堂ブログ
復活に取り組み6年!校庭茶園再生〝奮闘記〟
1882(明治15年)年創立の うきは市立 山春小学校。
全国でも珍しい〝校庭〟の茶畑での児童の茶摘みは100年余り続く伝統行事。
しかし、
現在の茶畑は十数年前、プール造成に伴い工事で出た石やコンクリート片混じりの土で茶畑を埋め、そのかさ上げしたガレキまじりの質の悪い土に苗を植えてできた畑…
一時は管理も殆どされず荒廃が進み、
夏は雑草とかずらが畑全体を覆い尽くして生育が阻まれ、
年に数回の草刈り機を使った大雑把な除草作業で茶木の根元は見るも無残に切り傷だらけ…
木は弱り、
茶畑の3割ほどが立ち枯れした酷い惨状…ではありましたが、
春の茶摘み行事だけは続けられていました。
今から6年前、
当時の山春小の校長先生やPTAで 「なんとかお茶園を再生させよう!」と盛り上がり、
ちょうどその年の秋から父の実家のある「浮羽町」に家族とともに移住し、
長男が山春小に転入する予定でもあった〝校区内で唯一お茶の生産者である私〟に声がかかりました。
「お茶畑を復活させるために手伝ってもらえないか?」
さらに…
学校や保護者の意向で〝無農薬〟での栽培が希望…
私は、
「一度荒らした畑を復活させるということは、とても大変な作業ですよ。除草剤は使えないので除草はすべて手作業、夏場は毛虫やハチに刺される可能性も十分あります。 畑の管理が忙しい時期は私も一緒… 子どもたちや先生、そして親も、全員で取り組むのであればお手伝いします。 それが無理なのであればお断りします。 続けきれないのであれば、いつでもやめます!」
ということが条件でしたが、
それでもやる!
ということだったので、
お茶畑復活への取り組みが始まりました。
しかし‥
茶畑復活の取り組みへの手伝いは引き受けたものの、
いずれ、声を上げた当事者たちはいなくなり、
PTA役員、教職員、児童や保護者も年々入れ替わり、
取り組みの熱も冷め、早い段階で畑の管理作業の負担が私一人に降りかかってくることは十分覚悟はしていた。
この地で800余年の歴史を持つ河北家 (父の実家) だが、
別の地で生まれ育ち、移住したばかりで知名度〝0〟のどこの誰ともわからない、紛れもない〝よそ者〟である私が 何を言ったところで、元々が繋がりの強い地域の方達に そう簡単に聞き入れてもらえる訳が無いことは重々承知の上。
依頼を引き受けた以上、そして、多くの方に負担を強いる以上、
指導する立場の私が率先して身を切る姿勢を示し、
学校や地域の事にとことん関わり、
私を知ってもらい、
信頼を得ることが出来なければ、
復活の取り組みを続けることは困難であると考え、
なり手のいないPTA役員を引き受け、今年で5年目。
異例の 2期目突入‥
今年もひきつづいての PTA会長3年目 (その前に、副会長を2年)‥
( 2期4年目となる来年度終了までの辛抱 (^_^.)‥)
取り組み始めた当初は〝脱サラ 就農〟してまだわずか数年目、
年収はサラリーマン時代の半減以下、
生活の糧は農業収入のみ‥ という極めて生活が厳しい時期、
その中でのPTA役員の活動、地域役員の活動、
まだ自分の仕事や家の事、生活もままならない中、
同時進行での 荒廃した在来茶園の再生、在来茶復興活動の取り組みの負担は思っていた以上に大きく、
泣きたいこと、すべてを投げ出したくなったこと、
心身ともに追いつめられ 本当にいろいろと大変ではありましたが、
役員として学校教育に関わるあらゆることに必死に取り組んできた甲斐もあって、
児童や保護者や教職員の方々の信頼も徐々に得てきたことを感じるとともに、
校庭茶園復活への取り組みも、なんとかかんとか流れも出来てきて、
畑の茶の木も回復、
質の良いお茶ができるようになり、
取り組みを始めた頃は声をかけても作業への参加がほとんど無かった保護者の茶園作業への協力も徐々に増え、
山春小はお茶が一番の特長であるということで、
学校での農業体験はもちろんのこと、授業においてもお茶に関することを積極的に取り入れてもらえるようになり、
様々な機関からも山春小学校の校庭茶園復活の取り組みを注目して頂けるようになりました(^^♪
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先日発行♪
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6年前の畑の復活に取り組む前の校庭茶園。
この寂しさ…
木が立ち枯れし、
ほとんど木が無くなっていた茶畑の3分の1を新たに再生することに。
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▲【 2000年 (平成12年) 山春小学校 / 航空写真 】▼
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先生とPTA役員で苗を植え、ワラを敷き…
通常、順調に苗が育てば4~5年目には新芽を摘めますが、
無農薬の厳しさから様々なアクシデントもあり‥
これまで半分以上の苗が枯れ‥
枯れては植え直し、枯れては植え直し‥の繰り返し。
7年目の今年、
初めて摘むことが出来ました。
保護者、児童、先生、PTA役員のOBさんにも協力して頂き、除草と堆肥まき作業。
真冬にもかかわらず、皆さん汗がダラダラ(^_^;)
ダンプに“てんこ盛り”の堆肥を、近所の畜産業を営む友人から無料で提供してもらいました(^^)
梅雨の時期に何度かあるパターン。
一度畑を荒らしてしまい、無農薬栽培で除草剤も使用出来ないとなると、
夏場はとことん草と格闘するしかないこの大変さを、皆さんに感じてほしいですね。
この日はお母様方に多くのご協力いただきました(^^)
取り組み前の畑に比べると見違えるように元気になったお茶畑。
長年お茶摘みに参加されてある方からも、お茶の生育の大きな変化に感心されてありました(^^♪
以前は、茶摘みの大変な作業だけで、子供たちは何も楽しみがなくめんどくさそう~に作業をしているのを見て、何かひとつ楽しみを!
‥と数年前、私が思い立って初めて実施したのが、
伝統の茶摘み行事を行っている茶畑の横に、
保護者の方々に協力していただき、
〝 摘みたて!「茶の新芽の天ぷら」即席ブース 〟を開設。
こ~れ~が、大~当たりで、
子ども達が大喜び♪
効果抜群!
かなりインパクトが大きかったようで、
天ぷら食べたさに、毎年の茶摘みを楽しみにしてもらえるようになりました(^^)
( 〝 摘みたて!「茶の新芽の天ぷら」即席ブース 〟開設は、毎年恒例となりました )
また、今まで以上に積極的に様々な授業において〝お茶〟のことをテーマに取り上げるようになり、
年間に数度実施される保護者を招いての発表会の場でも、
〝お茶〟に関する内容、
子ども達のユニークな発想で発表する機会も増えました(^^)
お茶を通して、大人になっても山春小のことをいつまでも憶えてて欲しいな…という願いを込めての“お茶の天ぷら”♪
▼ 地域活性化プロジェクト♪ ▼
【地域に元気な子供たちがいなければ地域の未来はない!ということで今年も開催、卒業直前サプライズ企画 『地域の魅力を五感で満喫!ミステリーツアー』!】
子どもたちが楽しみながら学んでくれるためにはどうしたらいいかな…と、
あ~でもないこ~でもないと畑の管理が忙しい時期とも重なり、
毎度の事ながら授業の前日から徹夜で考え、
慣れないパワーポイントを使っての資料作り(^_^.)
今では全校児童が急須でお茶を淹れられるようになりました(^^)
(家でも家族にお茶を淹れてあげている児童たちが増加中♪~)
6年生が新入生にお茶の淹れ方を伝授する時の1年生の一生懸命な表情は、
なんとも微笑ましい光景です♪
▶▶【 子ども達がお茶の栽培から販売まで。“6次産業化!?”…様々な効果が♪ 】◀◀
こんなラベル作ってみました(^^♪
商品のラベル張り、袋詰めも児童が行い、
栽培から販売まで子ども達に関わってもらっています(^^)
今年の新茶の販売も大盛況(^^♪
この校庭茶園での栽培体験を通じて、
作物を育てることの大変さを知ることで、
食べ物の大切さ、
食べ物の生産にかかわる人々へ感謝する気持ちをもってほしい…
一つ一つ重ねてきた努力、
一つ一つの小さな作業が次につながること、
1年間の苦労があって作物ができること。
そして、
うきはの美しい景観が保たれているのは、農家の方たちの努力があることを、
子どもたちが少しでも感じてくれたら嬉しいですね(^^)
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▼ new POP & new ラベル / 山春小イメージキャラクター〝 やまるん・さくらん 〟バージョン ▼
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児童会で募集し決定。
「桜」「山」「笑顔」「お茶」をイメージした
山春小学校の子どもたちが考えたイメージキャラクター〝 やまるん・さくらん 〟
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うきは市公式ウェブサイト「 うきはのはなし | うきはのひと 」のコーナーにて、日本古来の在来茶や文化財の家を守る取り組みをご紹介いただきました。
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(コチラから記事をご覧いただけます)
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【 https://ukihastorys.jp/hito/kusumorido/ 】
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MUJI 無印良品
【 ローカルニッポン | 福岡・うきは 】
「 在来茶と地域に生きる 」― 楠森堂・河北幸高さん ―
(コチラから記事をご覧いただけます)
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【 https://localnippon.muji.com/7049/ 】
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[ ~YouTube~: 放送動画 ]
うきは市立 山春小学校 校庭茶園 100年続く伝統の茶摘み行事
/ 2015(H.27)
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うきは市立 山春小学校 お茶の総合授業
/ 2013(平成25)
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『楠森堂』 守り継ぐ伝統の味わい”在来茶”
失われつつある日本古来のお茶の味わい
/2011(平成23.5)放送
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うきは市浮羽町『袋野隧道探検』
/ 2015(平成27)
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楠森河北家 先祖物語⋄ JNN九州沖縄ドキュメント『ムーブ・move』
/2015年 (平成27) 放送