楠森堂ブログ

お茶のカテキン効果

在来種のお茶

先月1月中旬、突然「粉茶」の販売量が急増しました
普段はあまり出る商品ではないのですが、昨年1年間で売り上げた本数の半数以上に匹敵する本数に、わずか2週間で到達してしまいました。
販売量が突然増え始めた2日目、その原因が判明…
NHKの「ためしてガッテン」という番組で放送された内容が、『お茶のカテキン』が人体に多大な健康効果をもたらす…ということからでした。

その番組で取り上げられて以来、一躍有名になった静岡県の掛川市の「深むし茶」。
その掛川市では〝ガンによる死亡率が日本一低い〟そうで、その要因として「健康成分、カテキンをたっぷり含んだお茶」を普段から沢山飲んでいるから…だそうです。

 

『カテキン』とはお茶の「渋味成分」
『カテキンをたっぷり含んだお茶』というと渋~いお茶…ということになりますが、その渋味を抑えるために、お茶を加工する過程で、一般的な煎茶よりも蒸し時間を2~3倍長くします。この事を『深むし』と言います。
深く蒸すことで、茶葉の繊維が柔らかくなり、渋味が抑えられた濃厚でまろやかな味わいのお茶に仕上がるということでした。
製品の見た目は、強く蒸すことで茶葉の細胞組織が破壊され粉っぽくなってしまいますが、その変わりに本来は抽出されにくい様々な栄養素が溶け出し、その成分を丸ごと飲むことで、よりお茶本来の持つ豊富な健康成分を取り入れることが出来るそうです。
「深むし茶」は製品の見た目の評価が分かれることから、取り扱う店舗はそれほど多くはないと思われます。
その様な事から、量と価格が手ごろな楠森堂の「粉茶」…にも目が向けられたようです(^^)

 

ちなみに、
[ カテキンには、発がんを抑える作用、血液中のコレステロールを低下させる作用、老化を防止する作用、血圧の上昇や血糖値の上昇を抑える作用、抗菌・抗ウイルス作用、抗アレルギー効果、虫歯を防ぐ作用、口臭を予防する作用など実に多くの効果があるとされています ]

 

〝その番組でも話題として取り上げられていたようですが、〝現代の緑色で甘いお茶〟には「カテキン」の含有量が少ないんです…〟

 

お茶の新芽にはアミノ酸の一種で旨み(甘味)成分である「テアニン」が含まれており、そのテアニンは光合成を行うことにより渋味成分である「カテキン」に変化していきます。

 

このような事から、「鮮明な緑色をした、甘みの強いテアニン重視のお茶」が評価される現代では、お茶に含まれる健康成分の中でも最も健康効果の高い「渋味成分 カテキン」の含有量を抑えたお茶の栽培法が、最近は全国で主流になりつつあります…

 

その栽培法とは…
茶摘み前に化学繊維の被覆資材で一定期間茶の木を覆う「被覆栽培法」
被覆資材で覆い日光を遮ることで「カテキン」への変化が抑えられ、テアニンの割合が多くなり、旨み(甘味)が増します。さらには、通常茶葉は日光を浴びることで黄緑色になっていきますが、日光を遮ることで茶葉が僅かな太陽光を求め光合成を行おうとする過程で葉緑素を盛んに作り出すことで〝深い緑色をした茶葉〟となり、急須で淹れたときに鮮やかな緑色をしたお茶が出る要因となります。

一般的に〝高級茶〟と称される緑茶がそうですね。

 

〝黄緑色〟した新芽が被覆をせずに露地で栽培した茶葉。

〝濃緑色〟の新芽が1週間被覆をした茶葉。

奥の畑が〝被覆をせずに露地で栽培〟した茶園の色。
手前が〝被覆をした〟茶園の色。
被覆することで、畑の色が異なるのが一目瞭然。

 

このように栽培をした、緑色で甘みの強いお茶しか市場では評価されないので…
実は、写真であるように当茶園でも被覆したお茶を3年前から出荷用に生産しています。
この、被覆資材を広大なお茶園に広げて、また巻き取る作業…結構大変なんです
どうしてわざわざ手間隙かけて栄養価の低いお茶を作らないといけないんでしょうかおかしな話ですね?

また、お茶の木の光合成を妨げることで、樹勢が落ち病害虫の影響も受けやすくなります…
「煎茶」よりワンランク上の「冠茶(かぶせちゃ)」と呼ばれる、被覆をして摘み採るお茶の種類は以前からあったようですが、最近は製品の見た目、味重視で、出荷される〝すべて〟のお茶は被覆をしなければならない風潮があり、お茶本来の豊富な健康成分を含んだ露地栽培の「渋味のある」お茶は評価を低くみなされ、規格外として扱われてしまう…おかしな話ですよね?
お茶だけに限らず多くの農産物も、見た目や味、生産性を優先した栄養価の少ない作物が多く流通しているように感じます。

 

被覆栽培のお茶を完全否定している訳ではありません。

もちろん〝旨みを楽しむお茶〟もあっていいと思います!

楠森堂の「特上煎茶」は、国内ではほぼ栽培されていない在来茶の旨みを楽しんでいただくための被覆栽培で育てた、珍しい在来茶の冠茶 (かぶせちゃ)です!

 

〝見た目&味〟重視の現代の茶業界では、なぜか〝規格外?!〟とされてしまいますが、それ以外の楠森堂の在来茶商品は、お茶本来の持つ栄養価を大切にしたい思いから〝こだわって〟〝太陽の光をたっぷり浴びた露地栽培のお茶〟を作ってます(^^)!

 

◇ ↓ ↓ ↓ この様な話題も(^^♪ ↓ ↓ ↓◇

インフルエンザ撃退にはお茶うがい! お茶の「苦渋味」カテキン!

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[ ~YouTube~:「楠森 河北家」関連・放送動画 ]
・在来種のお茶 2014(平成26)

・~意地と誇りにかけて~ 2015(平成27)

・~『人生コレに賭けてます』~ 2020(令和2)

・~ OpenMUJI (キャナルシティ博多) 楠森堂 ~ 2019(令和1)

[2019/12/10~20]

OpenMUJI(キャナルシティ博多)にて開催。うきはテロワール〝うきはの魅力とモノヅクリ〟/ ~楠森堂~

 

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