楠森堂ブログ

在来茶園再生に取り組んで6年目…

お茶畑の様子

脱サラし、農業の経験や知識もまったく無い中、父の実家に現存する広大な在来茶園の再生に取り組んで今年で6年目に入りました。
就農当初は、茶畑の管理が行き届いておらず、茶樹の高さが私の肩の高さ程あり、ヒドイ場所では樹の高さが私の背丈以上(身長174㌢)ある畑も存在しました(作業に適した樹の高さは人の膝から腰ほどの高さが基本…)。
畑の中に車も入れられず、摘み採った重く大量な茶葉を道路までの長い距離を運び出さなければならない…
夏場になると、草は生え放題…
その中を十数人の高齢の方大人数で作業をしているのが現状でした。
最初の見習い期間中何も知識が無い私は、この作業環境が普通だと思い一緒に作業をしていました…
しかし作業を続ける内に、数日作業を続けただけで疲労困憊の様相をみせる皆さんと、私のような素人でも気付く、あまりに非効率的な作業環境に、「この環境は普通じゃない…」と思い他の生産者の方の畑や作業の様子を見学に行きました。
すると… 私達の茶園とは比べ物にならない近代化された環境…
機械化、防霜設備、製茶工場の近代化、低い樹の仕立てにすることで作業環境が飛躍的に向上する様子、少人数でも十分対応できる作業環境、摘み採る茶葉の品質にも大変気を使っており(軟らかい新芽のみを摘むのが基本[絶対条件!]、私達の茶園では新芽の他に古葉、枝ぐるみ摘んでいるのが現状でした…)、雑草も少なく手入れが行き届いている畑…
私達の茶畑、作業環境、茶葉の品質にあまりの差があるのに愕然としました…
そこから改革が始まりました!
茶の管理を専門とする機械メーカーから茶の木を低く伐採する専用の機械をリースし、3年がかりで5ヘクタールすべての茶畑の樹を低く仕立て、すべての畑に車を乗り入れられるように整備しました。
樹の上部の大半を伐採することで葉が無くなり日光が地面に直接射すのと、夏場の雨と高温、長年落とし続けた草の種などで雑草が大量にはびこりました。
伐採した大量の枝がゴロゴロしている地面、夏の強烈な日差し、高い湿度、雨が降る中を何日も何日も這いつくばっての広大な茶畑の除草作業が数年続きました…
気温が上がるとともに雑草がひどくなり除草作業が追いつかず人手が足らない事から、シルバー人材センターにも初めて加勢をお願いしました。
「こんなキツイ仕事は今までやってきた中でも初めてですバイ…」とやつれきった表情で一言ポツリ…
あまりに熱を入れて作業を続けたために、今まで長年来ていただいていた方が「こんなに仕事せないかんならやっていけんバイ!!」と一人辞め、二人辞め…2年目の一番茶のお茶摘み真っただ中に、就農当初に大勢いた人達が一人も来なくなりました…
その年の一番茶は摘むのを断念しようと思いましたが、人づてに農業未経験の人をかき集め、急造の素人集団ではありましたが、なんとかその年の一番茶を乗り切ることが出来ました
その後、ある程度一人でも畑管理が出来るよう、収益がほとんど上がらない極めて厳しい状況ではありましたが機械化や防霜設備の導入を行い、現在では通常一人で畑を管理出来るまでになりました。
そんな苦労もあっての現在の茶畑!
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就農して早6年… 樹も高くなり、機械による摘み採り可能な高さが限界に近づいたことから、先日から樹高を下げる作業を行いました(「中刈り」作業と呼び、5年に1回行うのが一般的)。
メーカーから専用の機械を借りれば1日で終わる作業。
メーカーにリース料を問い合わせると、リース料がウン十万…
という事で、自分の機械で1.5haの茶畑を4日がかりで作業を行いました
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葉が無くなりました…
8月のお盆頃には元気な芽が沢山伸び、緑のじゅうたんが復活します!
そして来年は、少なく太い枝々に効率良く養分が行き渡り、勢いのある新芽が育つんですよ

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