楠森堂ブログ

倒壊の懸念… 大正築の旧楠森製茶工場

在来種のお茶

現在は使用されることの無くなった、旧楠森製茶工場…
その旧工場の裏には小さな畑が有り、その間に流れる水路の脇には、水仙の花や菜の花が春のやさしい日差しに照らされていました。
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今も残る旧楠森製茶工場…
この工場は大正時代に建築されました。
昭和初期の最盛期には畑の栽培面積は十二町歩(約12ha)、単独所有での栽培面積では県内はもとより、全国でも最大級の規模を誇っていたとされ、昭和八年には農林省指定の模範工場に選定され、畑の一部は国や県の試験茶園としても活用されていました…
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昭和初期に撮影「製茶工場」
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「拝見場(はいけんば)」…茶葉の鑑定場所
拝見場とは、茶の色や形、蒸し具合品質を見極める場所で、現代では照明器具の普及などにより、このよう拝見場は無くなり、昔ながらに太陽光を採り入れた拝見場が現存するのは極めて貴重だとのことです。
直射日光では天候によって見え方が変わり、品質の比較や混入物の発見が難しくなるため、戦前は斜め上から太陽光を採り入れ茶葉を鑑定していました。
黒塗りの遮光板を取り付け、台上に置いた茶葉はやさしい光に照らされはっきり見えるように工夫されています。
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旧製茶場の下を流れる床下水路…水路に段差をつけ、水車を回し、製茶機械の動力源のひとつとして利用していました。
Ecoですねー(^^)
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合場(ごうば)
最終工程の乾燥作業を終えた荒茶が風の力で送り込まれ、大袋に詰め出荷作業をこの部屋で行っていました。
高さが2mほどある6部屋ある小部屋には、上部の管からお茶が送り込まれ、量が増えると小部屋の手前に仕切り板をはめ込んでいきます。
最盛期には、すべての部屋がお茶でいっぱいになっていました…
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現在は倉庫として利用している、旧製茶工場内。
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最盛期の製茶作業風景。
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旧製茶工場の東西を流れる水路。
初夏には沢山のホタルが飛び交います。
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その工場も、少しずつ建物自体が傾き始め、屋根は波うち、大きな地震や台風などで倒壊の懸念も…
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大正時代に建てられた製茶工場。
工場内にある「拝見場」を始め、今に伝える昔ながらの様々な設備の跡は、研究者の方の話では極めて貴重なものばかりだとのことです。
保存、活用の道も考えたいところではありますが、建物は極度に老朽化が進み、文化財の家を含め周りの様々なものも同様、一斉に老朽化が進む現状では、旧工場までは手が回らないのが現状です

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